ネパール(n)
南アジアの小さな国ネパールは北を中国(チベット)と東西と南をインドと接している。大きさは北海道の約1.8倍で東西に細長い形をして、北は8,000m級の高さ南は70m程低地になる傾いた地形になっている。
亜熱帯性気候で日本の奄美大島と同じ緯度になる。
現在のネパール連邦民主共和国の前は王国だったが、2008年に王政は廃止になった。人口は2,662万人、ヒンズー教と仏教が中心。首都はカトマンズ。山地が大半の為に道路網は発達していない。農業と観光が主要産業でGDPは$377(2007)で貧しい国の一つ。日本の援助は世界二位でとても親日的な国だ。
2012年現在ネパールと日本の間には直行便は運行していない。香港又はバンコクで乗り継ぐ経路が主だ。香港は同日乗継、バンコクは同日乗継又は乗継宿泊が必要の場合もある。他に韓国乗継、成都乗継もあるが、乗継宿泊を伴い、運行も毎日ではないので少し利用し難い。陸路は北のコダリで中国と、南はスノウリなど幾つかの町でインドとの出入国が出来る。
ネパールはヒマラヤの中央約1,70kmに接する国だ。そこにはエベレスト、マナスル、アンナプルナ、ダゥラギリなど8,000m峰を中心とする山群が幾つもある。それらの山々の懐にある村々を結ぶ生活道路や峠越えの道がトレッキングコースとなる。
スタッフの声で起床し一日が始まる。起床・朝食・出発までおおよそ2時間が標準だ。歩き出して間もなく、ポーター達が、コック同行の場合は昼食の準備の為にキッチンスタッフが速足で負い抜いてゆく。トレッカーはガイドを先頭にマイペースで眺望を楽しみながら歩いて行く。昼食は約1時間、そして午後も早めに泊地に着けば夕食までのんびりと自由時間となります。
ヒマラヤトレッキングの一番の特徴は、歩く時に必要な装備(雨具、予備衣類、水、カメラ等)以外はポーターが運ぶことだ。共同装備も同様でトレッカーは身軽に歩く事ができる。歩く時に不要なものはダッフルバッグに入れてポーターに渡すと、その日の宿泊地で手元に戻ってくる。重い荷物(カメラ・レンズ等)を背負うはパーソナルポーターの手配も出来る。(有料)
宿泊は基本的にロッジの2人部屋となる。ロッジの設備やサービスは千差万別で人気コースではホテルまがいの立派なロッジから、山奥や来訪者の少ない土地では見劣りのするものもある。行程中にロッジ利用が出来ないコースはテント泊となる。寝袋(シュラフ)は当社で用意します。
食事は大切な楽しみの一つ。ロッジ泊の場合はロッジ提供の食事になる。最近は東洋人・西洋人向けのメニューも豊富になり美味しく頂ける。テント泊の場合はコックとキッチンスタッフが同行し日本食(風)主体の食事を提供する。最近は地域によってロッジ泊でコック同行のシステムが難しくなってきたのが残念だ。好天日の朝食は外で頂く事もあって楽しい。
ネパールの水事情は良くない。ホテルでもトレッキングでも生水は一切お飲みにならない方が安心だ。トレッキング中はロッジや売店でミネラルウォーターを容易に購入出来るのでそれを利用する。購入が出来ないコースでは湯冷ましを利用する。ホテルの洗面所の水は歯磨き程度には利用出来るが水道の水は飲まない方が良い。町のミネラルウォーターは安い。
当社のネパールのパートナー、コスモトレック社はカトマンズ在住30年以上の経験と1981年来遠征300隊、ライト登山365隊の取扱実績がある老舗だ。従って日本の山岳界でも著名な会社でもある。社長の大津二三子氏のもとベテランのエベレストクラスのシェルパやガイド、コック達がトレッカーをご案内してくれる。
ヒマラヤと言っても日本の登山と何も変わらない。履きなれた山靴、30リットル位のザック、透湿性の雨具が基本で、コースの高度や季節により防寒装備が加える。寒さが厳しくない場合は重ね着や雨具の併用の防寒方法もお勧めだ。行動中は洗濯が難しいので数量や着替え頻度にも配慮する。石井スポーツからの適切なアドバイスも可能です。
ネパールヒマラヤではヘリレスキューが発達している。例えばエベレストBCから天候が良く運行が出来れば2時間位でカトマンズの病院に収容することも可能な位だ。ヘリを飛ばせない場合、人力、馬・ヤクなどによる下山も大切な手段なので、すぐに飛んでこないヘリを待つより担いで走り下った方が早い事があります。
ネパールの病院は手術の出来る大きな病院がある。程度が軽い病気などは外国人医師の経営する小さな病院もあり、現地コスモトレック社はそれら機関と良好な関係を持っているので応急処置レベルでは安心だ。しかし、初期の処置を終えた段階で第三国(タイなど)へ移送するか日本への帰国が必要と考えた方がよいでしょう。(適切な旅行保険加入がないと対応に苦労します)
ネパールにはトレッキングコース以外にもたくさんのハイキングコースがある。一つはカトマンズやポカラの周辺の丘に登ってヒマラヤの雪山を眺望するもの。殆ど歩かないコースから2~3時間程度のハイキングもある。もう一つは半日程度のハイキングで登山気分を体験できる日帰りや1~2泊程度のものもある。写真はポカラを眼下にマチャプチャレやアンナプルナの眺望。
ヒマラヤトレッキングはお客様の山行経験とご希望に当社の知識・経験・企画とが合致して初めてトレッキングが夢から実現へと近づきます。まずは当社にご連絡してご希望をお知らせ下さればご希望に沿ったご提案を差し上げます。プランの骨格に出来たら催行方法を決め(募集ツアーか手配ツアーか)、お見積りに進む。ご提案にご承諾頂いてから参加申込、申込金の支払いとなり、出発日に合わせて渡航手配を開始します。
トレッキングと違いピッケル、アイゼン、ザイルを使用し高山の眺望に加え、ピークの登頂を目的とする登山だ。従って、登山の中・上級者であることに加え登頂に対するモチベーションも求められる。トレッキングを何度か体験している方とか、豊富な登山経験者が対象になる。易しいピークから難しいピークまであるのでレベルに合ったピークを選定する事が肝要です。
ネパールにはトレッキングピーク(ライトエクスペディション)として6千m台の33峰が解放されている。その中には登頂に大きな困難と危険が存在するピークも含まれている。当社は中・上級登山者を対象に人気があって、比較的に安全度の高いピーク7峰をご案内している。原則として募集登山でなく、手配登山になります。
スタッフは高所ガイド(HAP)、コック、ポーター等の編成でお客様をサポートする。BCまでのキャラバンはトレッキングと同じ行動だがBCから登頂までの間のHC設営、フィックスロープの設営はスタッフが行います。登頂期間は高所ガイドの指示に従い行動する。一般的にはBCから1泊2日の往復での登頂が中心となります。(一部コースを除く)
高所登山装備が必要です。一般的にはアイゼン、ハーネス、カラビナ類、エイト環、ピッケル、ユマール、ヘルメットが個人装備に入る。フィックスロープ、スノーバー等、高所テント、高所食料は共同装備として当社で準備します。コースと季節に応じ詳細な装備リストにてご案内します。
トレッキングと違いピッケル、アイゼン、ザイルを使用する日本の3千mクラスの冬山縦走経験が求められる。コースに応じた技術と体力が必要だが大半のコースに岩壁登攀は含まれません。中級レベル以上のアイゼン・ザイルワーク、アンザイレン歩行、雪壁登下降技術(経験)とともに行動にはある程度のスヒードも求められる。事前講習のご希望もお受けしています。
トレッキングと違い高所での厳しい登頂行動となるので、高山病の危険、雪崩や落石、滑落や転落など危険が増す。当社は6千m~8千mクラスの遠征に豊富な経験を持つ高所ガイドが登頂判断、体調管理等にベストを尽くすが登山行動中の危険負担はお客様に負って頂くことになります。参加にあたっては誓約書のご提出が必要なプランです。
世界には巨大な山脈が幾つもあるが、14座ある8,000m峰はすべてヒマラヤにある。西はアフガニスタンからパキスタン、インド、ネパール、ブータンを通って東の中国まで連なる約2,400kmの地球の巨大なシワだ。主な山域は西側に世界第二標高のK2のあるカラコルム地域、中央にネパールヒマラヤ(チベットを含む)、東にブータンヒマラヤ、さらに東に中国の横断山脈がある。
7~8,000mの高峰の連なる国をイメージすると、とても寒い国と感じるが亜熱帯性気候なので温かく、南部は熱帯の猛暑もある国だ。しかし、季節や標高によって気温は下がる。トレッキングに適した標高3~4,000m台位までは低所では暑い位の気温、高所で朝夕は低温になる。
9月中旬から翌年5月の終り頃までがシーズンだ。6月から9月上旬は雨期(モンスーン)になる。山の眺望が良くないのでオフとなるが、花の時期でもあるのでこの時期をめがけて出掛ける方もいる。ネパールの12月~2月の間は降雪の関係から高標高コースはトレッカーが減る。同期間ブータンのコースは閉鎖になる。
ヒマラヤには無数のトレッキングコースがある。日本でのハイキング経験、2,000m前後の山への日帰りや小屋泊まり山行経験、3,000m前後の山への小屋泊まりやテント泊の縦走経験や長期間に及ぶ登山経験、さらに雪山登頂や冬山の縦走経験などのそれぞれのレベルに合ったコースやプランがある。
日本との往復移動日+トレッキング日数+観光日(希望による)を加えたものが必要日数になる。7日間位が最低日数で、長期になると約30日間必要になるコースもある。例えばカンチェンジュンガ32日間(左写真)、プーンヒル11日間(右写真)が必要。ブータンは8~12日間が中心になります。
トレッキングは眺望を楽しむ山歩きなので、特殊なコースを除き一日の歩行時間は3~6時間が中心だ。勿論コースによっては行程の一部に7~8時間歩く日が含まれることもある。馬を利用することが出来るコースもある。朝早く出発して休憩や昼食にたっぷり時間を取っても午後早めの泊地到着が標準です。
山のトイレは特に女性にとって心配の種ですがネパールではコース上の村々にあるロッジやお店のトイレの借用も可能だ。最近はロッジのトイレも綺麗で水洗が増えてきた。キャンプの場合はトイレテントを設営する。トイレ施設の無い場所や人里を離れた奥地、またブータンの場合はいずれも青空トイレとなります。
トレッキングは遠征隊に準じたスタッフ編成でお客様をご案内する。ガイド頭が総責任者、アシスタントガイド、コック、キッチンスタッフそしてポーターがトレッカーの人数、食事の提供方法、宿泊の方法に応じた編成で同行する。荷を運ぶポーターに代わり馬やゾッキョが加わる事もある。
トレッキングガイドの総責任者(サーダー)は日本語が堪能だ。カトマンズに着いた時から帰国までトレッカーをサポートする。一部には日本語が堪能でないガイドも居ますが意志の疎通に問題はない。ネパールのトレッキング会社は日本人が経営しているので安心だ。ブータンもガイドは日本語対応だ。添乗員が同行しないツアーでは日本~ネパール・ブータンの移動のみ客様自身で移動して頂くことになる。乗継手順は詳しくご案内するので安心です。
国内登山と違い海外移動が加わるので、航空会社に預ける荷物は20kgの制限がある。山道具はスーツケースに入れるがスーツケース自体が重いので可能なら大型ダッフルバッグを使うのが有利だ。コース、日数、季節により異なるので参加者には詳細なリストでご案内する。空港へはイラストの様に機内持込み用のザックに荷物を詰めてお出かけ頂きます。
高山病は年令・性別・経験に関係なくかつ個人差がある身体症状だ。おおよそ3千m以上から軽い兆候が出る方か少し出ることがあるがさらに4千mを超すと少し増えてくる。5千m以上では充分な警戒が必要になります。トレッキングは5千m台まで、登山は6千m台までが行動範囲ですので高度順応に配慮する。過度に恐れる必要はないが充分な管理と対応に努める必要があります。
軽い高山病は高度順応で克服可能だが時として順応出来ず症状が不快を越えて重度の(急激な)高山病である脳浮腫、肺水腫に進行する恐れが出る場合がある。標高4千mを超す行程には医療用酸素、高圧チャンバーを携行する。また管理を目的にパルスオキシメーターで血中酸素の数値を測り下山やレスキューの判断材料とします。
標高4千mを超すプランには共同薬品を携行する。一般旅行と同様にトレッカーそれぞれで医薬品の携行は必須になる。風邪薬、鎮痛剤、整腸薬、下痢止を中心に用意する。車移動が長時間の場合は酔い止め薬、健康維持にうがい薬、日焼け止め、簡易絆創膏、マスクも有ればベスト。持病薬は絶対に忘れてはいけません。
ヒマラヤは日本の登山と比べて特別な危険があるとは言えないが、日本の登山で予想される危険(怪我や病気も含め)は存在します。ヒマラヤは地上からの救援が困難なのでヘリレスキューによる高額出費対策としても旅行保険は必須だ。ブータンでは病院費用は無料だがヘリレスキューは難しい。第三国移送費用対策など保険加入は必須です。
ネパールには文化遺産(9)、自然遺産(2)と世界遺産が11か所もある。またエベレストを眼前の望む遊覧飛行も人気だ。ブータンには魅力のゾンやお寺など見どころが目白押し。ネパールの観光はオプション、ブータンはトレッキングと観光を組み合わせてプランを実施している。トレッキングなし観光だけのプランもあります。
ツアーは催行方式に3つの種類がある。一つは当社が企画・募集・催行する募集トレッキング(募集型企画旅行)。二つ目はお客様(グループ)が当社に相談しプランを作りお客様グループのみで実施する自由度の高いツアー(受注型企画旅行)です。最後はお一人の個人旅行だ(受注型企画旅行)。お仲間集まって条件が整えば手配トレッキングが一番のお勧めになる。手配トレッキングは2名以上集まれば出発が可能です。
南アジアの小さな仏教国ブータンはネパールと同様北を中国(チベット)と東西と南をインドと接している。大きさは九州の1.1倍位になる。中国側のヒマラヤから南のインドに向けて幾つもの大きな尾根がすだれ状に南北に走っているので東西移動には幾つもの高所の峠越えになる。北のチベットと直接結ぶ道路はない。亜熱帯性気候で温かい国。
ブータン王国と国名にもあるとおり君主制の国。4代目国王は生存中に現5代目に王位を譲ったことと、GDP(国民総生産量)よりGNH(国民総幸福量)が重要というユニークな考えを持ち世界中の共感を呼んでいる。人口は約70万人、首都はティンプー、行政と宗教が同居する大きな建物ゾンが各県に建つ。仏教国でもあります。
ブータンのパロからインド、ネパール、タイへの空路はブータン国営のドゥク航空が唯一運行している。日本からはバンコク乗継が一番便利で出発当日乗継又は乗継宿泊によってパロに向かう。バンコクから一日1~2便運航している。陸路は南の国境のプンツリオンを経てインドと結ばれています。
ブータンの西北や北のヒマラヤの山裾に幾つものトレッキングコースがある。小さな峠越えの初級コースから長期間の上級コースまで幅広いがネパール程多くはない。パロとティンプーを起点とする初級コースとしてサガ・ラ(峠)越え、ドンツォ(湖)、・中級コースではチョモラリBCなどがお勧め。春にはプルーポピーなど花のツアーもある。
ブータンもネパールのトレッキングとほぼ同じだが、コース上にロッジや売店が無いので終日ガイドと同行者だけの静かな行動となる。ひと気の多い山行ではなく昔ながらの静かな山歩きが出来るのも楽しみの一つ。午後早めに宿泊地に着けばアフタヌーンティーになり、仲間との会話が弾むでしょう。
ネパール同様、トレッカーは歩く時に必要な装備(雨具、予備の衣類、水、カメラ等)以外はポーター(馬)が運ぶのでトレッカーは身軽に歩く事ができる。その日の行動に不要なものをダッフルバッグに入れてポーターに渡すと、宿泊地で自分のテントに戻ってくる。重いカメラやレンズ等を携行するパーソナルポーターの手配も出来る。(有料)。
ブータンのトレッキングコースにロッジや売店はない。従って宿泊はすべてテントとなる。4人テントを2人で使用しマットも敷きくので安心だ。食事は食事テントを設営する。電気が無いので食事テントでは石油トーチを点け。とても明るく快適です。
ブータンでは食材に肉、野菜、チーズ、玉子、麺類などを中心にした同行コックによるブータン料理となる。ブータン料理は辛い(唐辛子)のですが日本人には辛い料理は出さないのでとても美味しく頂ける。勿論辛い料理も注文すればOKだ。昼食は朝のうちに調理し写真の容器に入れてスタッフが背負って来てくれ、好きなものを食べる方式。
ネパールと同様にブータンではホテルでもトレッキングでも生水は一切飲まない方が安心だ。トレッキング中は売店が無いので朝夕にお湯を提供する。町ではミネラルウォーターを提供毎日1本提供するが購入しても値段は安い。ホテルの洗面所の水は歯磨き程度には利用出来ます。
装備はブータンもネパールと全く同じだが唯一寝袋(シュラフ)を日本から携行して頂くことになる。食事はブータン料理に偏りますので万一食事が摂りにくい場合に備えて、副食や嗜好品を少し携行するのもお勧めだ。ブータントレッキングは下山後のカルチュアツアーとの組合せが基本なので観光行動中のデイバッグの携行をお勧めしています。
病気や怪我の場合はポーター役で同行している馬や近在の農家から徴用する馬や人手に頼っての下山となる。馬の利用が出来ない場合は人手によって担いで下ります。屈強なスタッフや地元民がいない場合はランナーが下山し救援要請となるだろう。ヘリレスキューはインド陸軍に依頼することになりますが大きな期待かけて計画は出来なません。
ブータンの病院はティンプーにはあるが地方では診療所程度の設備しか無い。従って簡単な治療は出来るが重篤な怪我や病気の場合は出来るだけ早い段階で第三国(タイ)への移送が必要になる。ブータンは医療費が無料なのでトレッカーにも適用されます。
ブータンはネパール程バリュエーションがないのでトレッキングか観光か、募集ツアーか手配ツアーかによってお客様のご希望に沿ったご提案とお見積りを差し上げます。ご提案にご承諾頂けると参加申込、申込金の支払いとなる。さらに出発日に合わせて渡航手配を開始する。ブータンの手配は先手必勝だ。パロへの航空予約を確保しなければ手配が進こみません。お申込みは遅くとも出発予定日の2~3か月以上前が肝要です。